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キャット・フレンドリー・クリニック

インタビュー記事

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Q:先生が猫を専門でやっていこうと思ったキッカケは?

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獣医師になって最初の2年は普通の動物病院に勤めていましたが、病院長より猫の分院長をやらないか?というお話をいただいたのがキッカケで始めました。元々猫が好きだったのと何か専門性を身に付けたかったのでいい機会でした。当初周りから猫だけでやっていけるのかと心配されたり、病院に患者さんがきてくれるのか?等不安はありましたが、実際始めてみると患者さんが連れて来られる猫の顔(表情)が全然違うことに気づきました。これまでの経験では、避妊手術を例にとっても猫は基本的に入院中はずっと隅っこで固まってジッと退院を待っているイメージだったのですが、入院直後からひっくり返って寝ているんです。避妊手術が終わった日であっても全然ストレス度が全く違っていて、「こんなに違うのか!」とこれまでわからなかった事がいろいろとみえるようになりました。
犬と猫を一緒に診ていたら気がつかなかったのですが、実際やってみると猫だけにすることは猫にとって凄いメリットがあると言うことを強く実感しています。

Q:普段診察で心掛けていること、犬とは違うポイントなど

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皆さん一緒だと思うのですが、よく飼い主さんの話を聞く事だと思います。
病院に来る方の多くは、何らかの不満を持った方がいらっしゃるのできちんと話を聞いて不満のポイントを探ることが猫のご家族に対しては特に大切だと考えています。

Q:待合室、診察室、入院室のこだわりを教えてください
  • 待合室写真
    待合室は1階、診察室が2階になるので診察を待つ間に他の猫ちゃんの声が聞こえたりしない作りにしました。
  • 診察室写真
    診察にきた猫ちゃんやご家族に不安を感じさせないように、器具等を一切診察室に置きません。

ペットホテル

  • 個室写真
    ご家族の方が色々と持ち込み(キャットタワーなど)、家と一緒の環境で過ごせるような空間にしました。
  • 写真
    爪とぎをできないようにドアの内側は、ステンレス製にしてあります。
    掃除もしやすく衛生的にも気を配っています。
  • ドア写真
    通常の横タイプだと猫ちゃんが自分で空けてしまうので、縦タイプのドアノブにしました。ここは非常にこだわったポイントです。また脱走防止のため、鍵も二重ロックにしてあります。
Q:先生が考えるCFCのあり方とは?

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細かい技術的な話は別として、動物病院に行こうかと迷っている方が病院のあり方のせいで“行けない”という状況にならないよう病院作りをすることがやっぱり大事なのかなと思います。 本来であれば、犬と同様にしてきちんと医療を受けるべき猫が、病院に来ない・来られないというのはとても悲しいことです。そうならない為にも、猫とそのご家族にとってストレスのかからない病院作りをする必要があると思います。

たとえCFC(Cat Friendly Clinic)に認定されたとしても、猫やそのご家族が病院へ行くことのストレスを0にすることは出来ないでしょう。それでもストレス度が100%だったのを、50%にすることが出来ればCFC病院は“足を運んでもらえる病院”になれると思います。

例えば、犬を触った後に猫を触っているようではあんまり意味がないでしょうし、待合室を分ける事は難しくても、キャリーをカバーするためのブランケット貸す事なら、明日からでも実行できるでしょう。

猫専門の病院になるのは無理だとしても先に挙げたようなちょっとした工夫であれば、誰でもできるので「うちは猫のことを大切に考えていますよ」という事を伝えることが出来れば、病院へ足を運ぶ人が増えてくれると思います。

CFCの大事なポイントって、「猫ウェルカム」「猫のことを考えていますよ」という、ソフト面の充実や姿勢を示すことが大切だと思います。

少しでも多くの動物病院が個々の工夫をこらして、よりキャットフレンドリーな社会になると良いなと思っています。